本場のイタリア人シェフが教えてくれたサイゼリヤの凄さとその原価

 10年ほど前に新婚旅行にイタリアに行きました。その時、飛行機で隣に乗り合わせたイタリア人の方と意気投合し、いろいろな話をしました。そのイタリア人の方は関西でイタリアンレストランを経営しているオーナーシェフでした。関西に旅行に行ったらぜひ寄らせてもらうという話をし、ちなみに東京で一度は行っておいた方がいいおすすめのお店はありますか?と聞いたところ、そのイタリア人のオーナーシェフの方はこう答えました。

 「サイゼリヤ」

 あの価格であの品質のワイン、ハム、チーズを提供するのはイタリアでは出来ないだろう。また日本の個人の飲食店としても、あの価格であの品質のものを出すのは絶対に無理だ。もちろん、サイゼリヤと個人の飲食店では、料理の中身、雰囲気や食器など勝負している分野は違うけど、サイゼリヤは本当に凄いとおっしゃっていました。

 高校、大学の頃はよく行っていたサイゼリヤ。社会人になってからはオシャレなお店を発見したいと足が遠のいていましたが、この話を聞いてからは、また良く食べに行くようになりました。私から見ても、確かにこの品質のものをあの価格で楽しめるのは凄い事だと改めて実感しました。本場のイタリア人のシェフのお話はとても説得力があり、私のサイゼリヤに対するイメージはがらりと変わりました。

 前置きが長くなりましたが、今の物価高にもかかわらず、サイゼリヤでは値上げしないとのこと。決算書をざっと見ると、コロナ前(2019年)の原価率は35%、コロナ後(2023年)は39%と悪化していました。やはり、食材の価格が上がっているのを感じ取れます。

 私の顧問先の飲食店様も原価率が上がっており、メニューの価格改定をしました。今(2023年)とコロナ前(2019年)で、食材の一つ一つの値段を比べてみると、多くの食材で値上がりしていました。また、食材によって2倍近くも大幅に値上がりしているものもありました。

 個人の飲食店ではオーナーシェフの感覚でメニューの値段を決めていると思います。もし現在、毎月の原価率を確認していないのであれば、「感覚」と「実際」にズレが生じている可能性があります。原価率の変化は経営にかなりの影響を及ぼします。売上が上がっているのに以前よりお金が残っていなければ、食材への支払が増えており、原価率が上がっている可能性があります。

 今の物価高では、サイゼリヤの様に価格を据え置くか、値上げするかの経営判断を迫られているお店が多いと思います。そこで、会計を活用すれば、据え置くか上げるかの判断材料となります。また、値上げを実行しようと考えたときは、オーナーの方はとてもナーバスになることと思います。その際に、現在の仕入れ値から逆算し、値上げ幅の範囲を計算するなど、会計は「オーナーの考え」や「お客さんが納得するであろう値段」などの調整に役立ちます。原価率や他の経費を分析しお伝えするのはもちろんのこと、早く指標を出せる様に資料の管理についてもお伝えすることができますので、気になる方はぜひ当事務所にご連絡下さい。